Hi-jet工法

厳重な管理のもと、アスベストは除去されます

煙突内からアスベスト材を取り除く"Hi-jet ARC工法®"と壁面に塗装されたアスベストを含む仕上塗装剤を除去する"Hi-jet AAC工法®"があります。
煙突断熱材と、壁面に吹き付けられた仕上塗材や下地調整材の除去方法は作業内容も若干変わりますが、基本的な工法の目的は作業員を健康被害から守りつつ、そして周辺の環境を安全に保ちつつ、ターゲットのアスベストを完全に除去することです。

Hi-jet ARC 工法 (煙突アスベスト含有断熱材除去処理)

工法の背景

戦後建設された建築物でボイラーなどの煙突は内部を断熱する為にアスベストが用いられました。

そして、アスベストを大量に仕様したカポステックなど煙突断熱材は著しい劣化に至っていて、排煙と共に大量のアスベスト粉塵も飛散しているのです。

更に細長く狭い煙突内はアモサイト(茶石綿)除去時の粉塵濃度が極めて高くなる事から、煙突内を無人化する必要性がるのですが、それを見事実現して、今や煙突の超高圧水によるアスベスト除去はデファクトスタンダード(事実上の標準)化された工法になりました。

工法の概要

Hi-jet ARC 工法は ARC除去装置を煙突筒上部に吊り下げ、ARC除去装置のノズルから噴射される高圧の水流でアスベストを含有する断熱材を粉砕します。

ARC除去装置は遠隔操作なので、アスベストを含む断熱材やライニング材のある煙突内は無人です。

"Hi-jet ARC 工法"は、アスベストから離れた場所でアスベストの除去処理を行うことが可能な工法です。

ARC除去装置は必要に応じて煙突を上下に移動させることができるため、アスベスト材の取り残しはありません。

破砕され、剥離した湿潤状態のアスベスト材は煙突下部の脚部点検口から作業員によって掻き出され袋詰めになって密封されます。

煙突アスベスト除去装置
劣化したカポステック 除去前
劣化したカポステック 除去後

Hi-jet ARC工法® の 特徴

  • 煙突内部のアスベスト除去を専用機材の遠隔操作で行います。
  • 超高圧水流を吹き付けてアスベスト切削します。水流の強さや旋回速度はコントロールされアスベスト材の硬さや質感、設置方法に関係なく1工程で除去できます。
  • 作業床は建築用防水材による防水養生を行うため、アスベストを含む汚泥は流出しないので土壌汚染はありません。
  • 煙突のコンクリートへ食い込んだアスベストも切削と洗浄をするため、解体後、安全な再生砕石として利用することができます。

Hi-jet ARC工法® の除去の様子

Hi-jet AAC 工法 (壁面仕上塗材・下地調整塗材除去処理)

Hi-jet AAC 工法の背景

近年、アスベストに対する規制が段階的に強くなり石綿の製品は代替え品は定着しました。しかし、使用されてきた建材等のアスベストの含有率はどんどん低くなっていきました。
これは、建物壁面の仕上げ塗装に使われる仕上塗材についても同様で
2006年には0,1%を超えるすべての建材が使用禁止になった事から、2016年には"建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針"が、国立研究開発法人建築研究所と日本建築仕上工業会によって組織された委員会から発表され、「今までは規制の対象でなかった0.1%以上のアスベストを含有する仕上塗材や下地調整塗材が解体時には除去の対象になりました」

Hi-jet AAC 工法の概要

除去は、作業員が超高圧で水を噴射する除去装置を用い、剥離したアスベストを含む汚泥と共に吸い込む"ハンド式バキューム研掃機"を使用します。

入隅部分などの役物廻り等ハンド式バキューム研掃機が使えないところでは、ハンドガンによって高圧水流を吹き付けます。これは当Hi-jet AACにだけ認められた工法であり、バキュームで吸いきれなかった分やハンドガンの高圧水流で剥離した分のアスベストは、床面に敷き詰めた作業床防水シート上で受け止めます。

Hi-jet AAC工法®はこの新しい分野で威力を発揮する、徹底したアスベストの湿潤除去と作業現場の全体換気をする事で作業環境を最良に保ち、なおかつ周辺環境を保全出来る安全安心な工法です。
もちろんマッハ2で噴射される超高圧水はコンクリートに食い込んだアスベスト繊維も根こそぎ切削しますので取り残しはありません。

最後に床に溜まったアスベストを含んだ汚泥は一箇所に集められた後、アスベストを逃さない0.3µフィルターで濾過して濾過水は排水します。

尚、沈殿したアスベスト汚泥はポリ袋へ梱包する際、梱包してからの時間経過して生じる遊離水防止処理を施し密閉処理されます。

壁面仕上塗材除去装置(作業中)
ハンドガン(使用中)
左 塗材除去後/右 塗材除去前

Hi-jet AAC工法® の 特徴

  • 超高圧水流による湿式切削洗浄除去と壁面から生じるアスベストを含有した汚泥の吸引回収を同時に行います
  • あらゆる種類の塗膜、下地調整剤を1工程で除去できます。
  • 作業現場の床は作業床防水シートで養生されているので、落ちてきたアスベストを含む汚泥で犬走り区域等の土壌が汚染されることはありません。
  • 隔離養生が不要なので、工費の削減と工期の短縮が可能です。
  • 吸引されず時折発生する除去装置外への噴射水や、ハンドガンでのアスベストを含む飛沫は飛沫対応換気方式(プッシュプル方式)を採用しています。
    これにより、夏場の直射日光によって生じる作業区域の気温上昇に対する対策も可能であり、更にエアコンを接続する事で熱中症等対策もできます。
  • 0.3µ以下のフィルターによってアスベスト含有の汚泥水は濾過され、その清澄水は排水溝等へ、放流ができます。

Hi-jet AAC工法® の除去の様子

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